お散歩に行かないという飼い主さんが多いことにショックを受けます。
特に小型犬だと、”小さいから運動は室内で十分”と思われがちのようです。
きっとペットショップやブリーダー等も、セールストークで、
又は、悪意は無くても単に知識が無い為に、
「お散歩が要らないから飼い易いですよ」とか言うのだと思います。
でも、犬という動物をお散歩に連れていかないことは、動物福祉の観点から大きな問題です。
まず運動量という点だけで言っても、小型/超小型犬であっても、室内をちょろっと駆け回る程度で十分、ということはありません。
狩猟動物である犬の生態上、小さな見た目から想像されるよりもはるかにエネルギッシュな生き物です。
それに、お散歩の目的は運動のためだけだけではありません。
犬が嗅覚に優れた動物だということは、誰もが知っていることではないでしょうか?
犬は外の様々な刺激に触れ、他人や他犬、その他興味のある物の臭いを嗅ぐことで脳に情報を送り、学習もして成長していきます。
つまり、臭いを嗅ぐことは、犬の基本的欲求であり、大切な情報収集の手段なのです。
運動欲求や臭いを嗅ぐ欲求を満たす機会を与えてあげなければ、
落ち着きがない、やんちゃ過ぎる、というのも無理はありません。
エネルギーが有り余っているのに発散出来ない状態なのですから、
ゆっくり休むことさえ学習することができません。
また、様々な刺激に触れ、慣れていくことを「社会化」といいますが、
社会化の機会を与えられずに育った犬は、外界の全ての物が未知なわけです。
未知のものは恐いです。何でも恐がるようになってしまったり、恐怖心からひどく吠えたりするようになってしまったりします。
社会から閉ざされて、基本的欲求も満たせない環境で育てられたとしたら、私達人間も、メンタルに異常を来しますよね。
犬の問題行動の多くは、毎日のお散歩で運動欲求、臭いを嗅ぐという基本的欲求を満たしてあげること、
様々な刺激に慣らす機会を与えてあげることだけでも、大きく改善に向うはずです。
仔犬の社会化期(生後1~3,4ヵ月)にお散歩練習の機会を逃してしまった。。という飼い主さんも、もう遅いからダメ、ということはありません
「社会化」は社会化期を過ぎても一生続けていくべきことですから、これから色々なものにゆっくり慣らしていってあげればよいのです
社会化期を過ぎると警戒心、恐怖心が好奇心より勝るため、時間は掛かりますが、飼い主さんの愛情さえあれば、大丈夫です
そして、今まだ仔犬を迎えたばかり、という方は、ワクチンプログラム中も、どうか「抱っこお散歩」をして、社会化トレーニングを始めてあげてください
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